#31 バッテリーの病を治療する?!放電器

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マキタの充電式掃除機4073Dを持っていた頃に作ったニッカドバッテリー放電器である。
ニッケル水素も対応。
回路設計と組み立てはメイド・イン俺!

ちなみに、掃除機本体とバッテリー↓
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◆バッテリー劣化の病、メモリー効果を何とかしたい!

マキタ充電式クリーナー4073Dを購入したのは2004年。
当時の充電式はどれもニッカド・バッテリーだった。
バッテリーの充電と使用(放電)の時間が少しずつ短くなってゆく劣化は免れることは出来ない。
いわゆるメモリー効果ね。
回復する手段は1セル0.9v程度まで放電させる事と言われている。(満充電は1.2v)
マキタ4073Dのバッテリーの中身は合計6セルだったので(満充電7.2v)理論上の放電終了電圧は、

0.9v x 6セル=5.4v

買い足したバッテリーは何としてでも長持ちさせたい!
ならば5.4vまでの放電なら何とか出来ようと、急速放電回路を作った。
どうせならと格好良く仕上げたのが上図。
2009年頃の事だった。

動作
見ての通り、ガシャッとはめてスイッチポンで放電開始するとLEDが点灯♪
 ↓
放電終了電圧までに下がると放電は停止しLEDが消灯。
 ↓
その後電圧が復帰して放電終了電圧以上に上がっても二度と放電を開始しない

↑最後のこれセオリーね。なのでトランジスターは最低2石必要となる。

使うタイミングとしては、毎回充電する時ではなく忘れた頃に。
特に掃除機を長期間未使用な状態で、使う直前に「放電~満充電」という感じ。

さて、作ったは良いがその掃除機4073Dは間もなく手放してしまいこの放電器は不要になった(笑)
充電式電動ドリルを買う計画を進めていて、リチウム・バッテリー共通の掃除機に買い換えてしまったのである。

時は4年ほど流れ・・・
まだこの放電器の資料も実機も残っているし、過去の遺物?!だけれど折角なので載せてしまおうかと。
という経緯である。
マキタのバッテリー以外にも使えるし。


◆仕様、回路、パターン

放電電圧の検出用とスイッチ(放電)動作用にトランジスターを2石使う。
放電終了電圧は5.4vとなる設計・・・と言うか、ボリューム調整式(半固定抵抗)にしたので次の電圧を想定している。
※当然、放電終了電圧の調整は希望の電圧を出力出来る電源を用意して行う!

放電終了電圧=3.6vまたは5.4v・・・偶数セル4個または6個を想定
(満充電の電圧=4.8vまたは7.2v のバッテリー)

例えばセル2個仕様だと放電終了電圧1.8vでLEDが光らない。お隣の抵抗240ΩでLEDはそれ以下の電圧になるから。
→ もしセル2個に対応させるなら抵抗240Ωを定電流ダイオード10mAへ交換すべし。
最大7.2vが扱える理由はセメント抵抗が耐えうるワット数10W以内となる電圧(偶数セル単位を想定)
→ もしセル8個=満充電9.6vを放電したいならセメント抵抗は20wにすべし。
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※7.2v専用とあるが前述の通りそれ以下でも調整によって対応可能。(作った当時は7.2v専用として説明書きを入れた)

スイッチ(放電)用途のトランジスターは、コレクタ電流値が5A以上でコレクタ・エミッタ間飽和電圧の低いものを探したら2SA1887に行き当たった。
→ 他の例として、2SA770でも良い

放電終了までの時間
ニッカド1300mAhの容量なら実測で約75分だった。
2000mAhなら2時間程度だと思う。

放電中の電流は7.2vバッテリーなら1A~800mAほど。

パターンに変換すると↓となる。穴あき基板を使うべし。
11_DISCHR_PTN01b.jpg

パーツの配置は↓を参考に。
13_DISCHR_IMG_6453b.jpg
ちょっと失敗気味なのは、用意したケースが狭くセメント抵抗の熱がトランジスターのヒートシンクに移ってしまう事。出来ればもっと離したい。(何度かテストした結果壊れるなど動作に問題は無かったが)
セメント抵抗側のケースの側面を大きく開けるべき。


◆制作!

回路だけじゃ実用にはならないので、マキタのバッテリーに合わせて(+)(-)端子をあつらえた。
燐(リン)青銅板 0.1mm厚をカットして加工する。(ハンズで購入)
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基板への取り付けはジャンパー線(スズメッキ線)を利用
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試しにバッテリーを置いて端子の接触具合を確認
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取り付け側のケース天板はバッテリーの形状に合わせて穴開け加工を施す
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他に、スイッチ、LED、放熱を考慮しての穴などをドリルで開ける。


メインの基板とバッテリー端子の基板のケースへの取り付けは、こんなフックと両面テープで行った
(普通はネジ&スペーサーなんだけど、ケース内の高さが足りなかった)
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回路とバッテリー端子を収納して、完成!
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※ ↑セメント抵抗付近のケース両サイドはこれよりもっと大きく窓を開けてより多くの通気を確保すべし。

パーツ・リスト
1ケースタカチ SW125S1262円
2電線耐熱120度 30cm必要 例:UL32651480円
3スズメッキ線0.5mm径 10m巻1262円
4ヒートシンク15x25x11またはTO-220タイプ用が便利130-70円
5グリスヒートシンク用1100-250円
6ネジ3mm径ヒートシンク用(TO-220タイプなら不要)1100円
7スイッチPushスイッチ 例:MS-312-7160円
8りん青銅板0.5mm厚1265円
9基盤1ICB-288184円
10基盤2ICB-901178円
11サポーター100均フック1105円
12トランジスター2SA1887 (他2SA770など)1231円
13トランジスター2SC1815121円
14LED3mm 赤 (HT204SRDなど121円
15半固定抵抗3kΩ152円
16セメント抵抗6.8Ω  10W163円
17カーボン抵抗1kΩ  1/4W110円
18カーボン抵抗680Ω  1/4W310円
19カーボン抵抗240Ω  1/4W110円
※ヒートシンクは足がある場合はペンチで抜くか折って使う。サイズは要チェック。
※2SA1880→2SA1887 この表だけ誤っていました。ごめんなさい。・・・2015/3/10訂正

2500円程度かかる。
銅線は120度以上の耐熱を想定すべし。ケース内で加熱するセメント抵抗に接触する事を考慮して。


◆感想など

掃除機について
互換品のニッケル水素バッテリーも買い足したのだけれど、確か1年もせずにメモリー効果の病にかかった。
当時のバッテリー式掃除機は発展途上なのだと感じた。バッテリーは高いからそう何度も買い足していたら、いったいいくらの掃除機を買ったのだと思ってしまう。
今考えると、ニッカドもニッケル水素も製品としてはありえない。
その後買い替えたマキタCL140FDZWはリチウムイオン充電池だ。4年ほど経つけれど全く衰えを知らない感じで使えている。これは納得の逸品である。バッテリー&充電器が同社の充電式ドリルと共通なので、自分の様に掃除機もドリルも少ない頻度で使う人には調度良いし節約になる。どうしてもマキタなのだ。
急速充電が20分ちょっとで済んでしまうのもマキタならでは!

放電器について
電子回路の設計は実は得意では無くて、昔一度 論理回路ICでモーターを正逆回転の制御をした事くらい。
今回はそのICがトランジスター2SC1815になっただけの応用だったのであまり苦労は無かった。
アナログ的な用途じゃなくてデジタル的なON/OFFの用途に限る。
なんだか久しぶりに回路を作ったのでとても懐かしい思いがした。
(ハンダ付けなら時々キット品はしているけれど)
作るならこんな風にしっかりケースやバッテリーの端子も作り込むと既成品みたいで満足度は上がる。
仕上げって大事だ。

ところで、ブログに載せちゃったけど、こんなもの誰も見ないだろうか?!


◆お世話になった道具

金属クラフト 直刃 350-T(ハサミ)・・・燐(リン)青銅板のカットに使った。
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プラスチック・木工用ヤスリの丸(左)と平(右)・・・ケースの穴開け後の加工
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ハンダゴテ・セット(参考)
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ニッパー・・・配線の加工
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電動ドリル・・・ケースの穴開け(2015/12/1 現在の売れ筋は充電式ドライバドリル 10.8V DF330DWSP
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安定化電源0~30v(だったか?)・・・放電終了電圧の調整用にバッテリー端子へ供給
(これは自作品。電源キット、メーター、スイッチ、端子、ケースなどなどを適当に選定して組み合わせた。)
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テスター・・・放電終了電圧の調整用にバッテリー端子の電圧を詳細に確認(参考:OHM デジタルマルチテスター TDX-200
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↑この手のひらサイズのテスターはとても便利。
海外出張でも大活躍した。いや、必要な仕事じゃなかったのだけれど、こんな趣味を持つ身の勘が働いてたまたま出番があった。もう一つこれより大きなテスターはあるが小さいものがあると非常に便利なのだ。


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