
2011年4月に国際版GT-i9000を購入して3カ月程経った頃だろうか。
GPS機能が高い頻度で衛星を捕捉しなくなっていた。
Android端末がGPSを使えないなんて魅力半減だ!
そんなGalaxy Sの泣き所は後で知ったのだが、後継のGalaxy S2でも若干聞かれる。
Galaxy S3はOSがver.4.xだし使えないソフトがありそうなので、購入は時期尚早だなー。
と言うわけで、Galaxy Sを使い続けるべく修理を決意した。
...[ #35 Galaxy S3α (SC-03E) GPS感度の改善 ]の方もドゾ!
◆ソフトウェア関連の状況 ・・・OSと補償外の作業
○ Android 2.2.1 通称Froyo
この機種にとっては「プチフリ」その他改善の余地があるらしいバージョン。
○ root化・・・SuperOneClick
○ プチフリ対策・・・One Click Lag Fix
○ Font追加、入れ替え・・・フォントを入手して「ESファイルエクスプレス」で直接処理
○ FMラジオを日本の周波数帯域を可能に・・・FMRadio.apk を入手して「ESファイルエクスプレス」で導入
○ GPS設定・・・定義ファイルを「ESファイルエクスプレス」で直接編集
◆改善についての噂
情報1
GPS機能の設定を修正すると衛星の捕捉が改善されるらしい。
gps.confとsecgps.confの値を変更する方法だ。
情報2
GPSアンテナの接触不良が原因で衛星を捕捉しない症状がある。
海外サイトのこんな記事を発見した。
→ Best GPS Fix for Samsung GT-i9000 Galaxy S
Galaxy Sのケースを開け、GPSセンサーを本体に押しつけると改善されると言うものだった。
なんじゃそりゃ?!
◆最初に結論
Galaxy S(GT-i9000)のGPSセンサーは機械的な接触で本体の回路基板と接続されている。
半田付けではないのだ!
結果から書き出すと、情報2を具体的なやり方で処置を行い改善された。
以下、ご覧あれ!
◆処置その1~いざ修理!~
裏ぶたを開けて7本のプラス・ネジを外す。
作業はメガネ用ドライバーで行った。

本体を開けるには、本体外周の枠をこじ開ける必要がある。
小さなマイナス・ドライバーを使用した。


GPSモジュールは裏蓋側の方にあり、本体側の基板の接点に対向する接点が2箇所ある。・・・①②
情報では①が接触不良の疑惑アリなのだ! ならばこれを処置すべし。
しかし何故①②の接点は材料が異なるのだろう?

ネットの情報によると、①の接点を高くする事で接触不良は改善されるらしいが・・・
作業はゆっくりと行う。勢いや力任せで行うと基板から剥がれる恐れがある。

以上で作業を終了し、本体を元通りにしてしばらくGPSの捕捉が出来ているか様子を見るべし!
捕捉が満足なら以降の処置(その2)は無視しよう。
ただ、、、
自分の場合、補足はされる様にはなったがまだ感度が弱い気がしたので、次の方法で接点②の処置を行った。
◆処置その2(若干作業の難易度が高い)・・・企画倒れ!その3を参照すべし!
!!! 後日、この方法に問題判明 !!!
接点②の接触不良に着手した理由は、元々どう見ても接点①と高さが合わない気がしてならなかったし、
位置が①より低いと感じたため。
接点②は高さを”かさ増し”する必要があるので何か材料が必要だ。
用意したのは厚さ0.1mmの「燐(りん)青銅板 100×180
これを、2mm弱×3mm のサイズにカットする。

加工はこの通り。

緑色の部分が燐(リン)青銅板。GPSアンテナ基板のパターンに接触させる。

両面テープでGPSアンテナ基板に固定する。

使用した両面テープ

あまりに細かい作業なので、少々集中力が要ります。
これで接点②の処置も完了。
①②処置の結果!
当然、3G通信でA-GPSのデータを直前にダウンロードしている。

◆処置その3 ・・・記事追加(2012/08/28)
処置その2、を実施のあと数日が経ち何故かGPS捕捉の感度が弱くなってきた様子。
場合によっては5分かかる様になってしまった。
原因はコレ↓なのか?設置したリン青銅版が押しつぶされた感じに平らに変形していた。
接触はしているはずだが、接点の圧力が弱まっていると思われる。

仮説を立てて見た
この部分の接点(前述の接点②)は圧力をかけなければ正しい接触(通電)が得られない!
しかし、何故もう一方の板バネ(前述の接点①)と同じ部品では無いのだ?
そこで、燐(りん)青銅板 100×180
形状はこの通り。本体接触部分はリン青銅版に厚みを付けておく。これで変形する事はない。

両面テープで樹脂部分に取り付ける(交換)

結果、捕捉&測位の反応が段違いに早い! 最短で20秒台で測位してしまった!
→ 高い建物に囲まれれば3分かかるケースもアリ。(2012/08/30)

しばらく様子をみよう。
改善の理由
この部分の端子は何故か他の板バネ式とは形が異なっているもの。弾力性のある素材だ。
上記の厚みのある接触加工でより圧力がかかったために改善されている様だ。
◆ソフトウェアの設定値変更に関して(参考)
gps.confとsecgps.confの値、私のはこんな設定。
根拠はなく、トライしてGPSの捕捉の具合が良いと感じた値である。
[gps.conf]
NTP_SERVER=jp.pool.ntp.org
XTRA_SERVER_1=http://xtra1.gpsonextra.net/xtra.bin
XTRA_SERVER_2=http://xtra2.gpsonextra.net/xtra.bin
XTRA_SERVER_3=http://xtra3.gpsonextra.net/xtra.bin
[secgps.conf]
#Generated by GpsLocationProvider.
#Wed Jun 27 13:51:33 JST 2012
SSL=0
SSL_TYPE=0
POSITION_MODE=121
OPERATION_TEST_MODE=0
ACCURACY=800
SESSION_TYPE=2
SERVER_MODE=0 →1 (1X PDE)に変更(2012/9/3)
ENABLE_NMEA=false
START_MODE=HOT
GPS_LOGGING=0
AGPS_MODE=1
DYNAMIC_ACCURACY=1
ADDRESS_MODE=1
TIME_BTW_FIX=2000
OPERATION_MODE=MSBASED
USE_DEFAULT=false
DYNAMIC_ACCURACY_VALUE=100 → 400 に変更(2012/8/19)
SUPL_PORT=7275
ENABLE_XTRA=true
SUPL_HOST=supl.google.com
NUM_OF_FIX=999999999
TIMEOUT=86400
編集は本体ルート化のうえ
※ ESファイルエクスプレス は不正な通信があった様で、今はSolid Explorer Classic を使っている。
◆処置その4[Androidのバージョンアップ 2.2.1→2.3.3]・・・記事追加(2012/09/01)
その3の処置でも衛星捕捉が3分かかる。
Android 2.2.1は改善の余地がある様なのでバージョンアップを試みる。
最後の処置
SAMSUNG純正のメンテナンス・ツール「Kies」の機能でOSのバージョンアップを行う事にした。
何より不具合を避け、カスタマイズOSは絶対使うべきではない。
ところで、私の場合バージョンアップの障害になりそうなroot化その他補償外の導入を行っており、まず元の状態に戻した。
○プチフリ対策の解除・・・One Click Lag Fixのフォーマットを元へ戻す
○root化を止める・・・PC側のSuperOneClick2.3.3でroot化を元へ戻す
厳密にはSuperOneClickに任せてroot化を元に戻しても痕跡が残ると言われているが、無視した。
さて、後は次の通り本体をUSBケーブルでPCへ接続すると「Kies」よりAndroidのバージョンアップが案内される。
○最新版「Kies」を入手・・・最新ドライバーも入る
○本体設定 [Wireless and network]-[USB settings]-[Samsung Kies]を指定 ※デバッグではない
○本体とPCをUSBで接続
○「Kies」起動
なんと、何も問題なくスルっと「2.2.1→2.3.3」へバージョンアップされてしまった。
全てのデータ(メール、電話帳含め)、アプリもそのまま。前述のGPS設定ファイルもそのまま残っていた。
ただし、ホーム画面からは自分で導入したアプリのアイコンは全部消えてしまったので再度貼り付けた。
Android 2.2.1→2.3.3の効能
・衛星捕捉・測位は早くなった!5~20秒程度で測位される!
・精度も高く、徒歩では道にほぼ追従している様子。→付近に衛星捕捉に邪魔な建物が無ければ

2.1.1では使い物にならなかった自転車へ載せての測位を行ってみた。
周囲に高い建物さえなければ、地図上ではほぼ走行位置に沿っている!ただし5~10mほど後ろに位置しているが。

まだ様子見だが、Android 2.3.3での改善がとても大きい!
2.1.1でご利用の方にはぜひバージョンアップをお勧めする。
◆
(記事削除)
◆活躍した道具たち
メガネ・ドライバー
本体を分解するためプラス・ネジを外すのと、本体の枠をこじ開けるのにマイナスドライバーを利用。

金属クラフト 直刃 350-T

ラジオペンチ、ピンセット・・・燐(リン)青銅板の加工に使った

ペンチ(名称忘れ)・・・追加(2012/08/28)
折り曲げ加工にはこれが良い。

道具達に感謝!
Apple製品と違って特殊な工具が要らないのでとても楽です。
◆その他・電気接点に有効なもの 2015/7/28 記事追加
記事には触れなかったが、電気接点のメンテナンスに良くお世話になっているのがコレ。
「接点洗浄剤
名前のごとく、どちらを重点とするかで選択。
今回の様な接点不具合の場合、長期間安定させたい場合などは更に有効。

飛び散るので自分の場合小さめの綿棒に含ませてから間接的に塗布している。